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公開日:2011年10月24日
更新日:2019年12月13日
二つの調査から浮かび上がってくる、バス・トイレ一緒が不人気な理由|編集長ブログ1

こんにちは。大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」の統括編集長の上田です。今回は「賃貸経営お役立ち情報」です。バス・トイレが一緒の物件について、実際の調査をもとに考えていきます。

家でくつろげる環境が重視される現代社会では3点ユニットの不人気は必然

「シャワーしか浴びない」人が多くてもバスタブが必要なのはなぜ?

バス・トイレが一緒のいわゆる「3点ユニット」を採用した物件はとても不人気。賃貸住宅市場における、いまの常識といって過言ではありません。その理由の一端が、二つの不動産ポータルサイトが行なったアンケートを組み合わせてみることで、浮かび上がってくる・・・。今日はそんなお話です。

登場するポータルサイトは、ひとつがアットホーム株式会社さんの運営する「at home web」、もうひとつが、株式会社リクルートさんの運営する「不動産・住宅サイト SUUMO」です。

それぞれのサイトに、

at home web・・・「アットリサーチ」
SUUMO・・・「SUUMOなんでもランキング」

色々なテーマにのっとったアンケート結果を公表するコーナーがあります。これまでもたびたび、このブログで、読者の皆さんへ、興味深い調査結果などを紹介してきました。

まずは、at home webさんの「アットリサーチ」、「20~30代独身サラリーマン・OLの生活実態調査」(7月の調査)です。お風呂のことに関して面白いデータが示されています。

入浴について、約44%の人、つまり半数に迫るほどの割合の人が、「ほとんど毎日シャワーのみ浴びる」との旨、答えているのです。すると、この皆さんにとって、お風呂場にバスタブは必要ない・・・のでしょうか?

そうではないらしいのです。同じアンケートの中、全回答者の約77%が、「バスタブは必要」としています。「必要でない」とする人は、わずか約7%に留まるのです。

つまり、推し量れば、普段バスタブにお湯を張ってつかることなど滅多にない人であっても、そうした誰もが、「バスタブなど不要だ」と、まで割り切れているわけではない様子がうかがえるのです。なぜでしょうか。

そこで、SUUMOさんの、「SUUMOなんでもランキング」、「家にいて『幸せだなあ……』と思う瞬間は?」(4月の調査)を見ると、理由の一端が浮かび上がってきます。

「家にいて『幸せだなあ……』と思う瞬間は?」との問いに、48.5%の人が、「お風呂に入っているとき」と、回答しています。

ちなみにこれは、
「ご飯を食べているとき」・・・48.8%
に続く僅差の2位。

回答者の約半数が、入浴について、単に体を洗う作業のための時間ではなく、「幸せだなあ・・・」と、感じられる瞬間でもあるとしているわけです。

つまり、まとめると、普段、「忙しい」、「時間がない」などの理由から、ほとんどバスタブにお湯を張ることがない、もっぱらシャワーを浴びるだけの人、そんな人でも、実は、チャンスさえあれば、「ゆっくりとお湯につかり、幸せを感じたい・・・」

きっと多くがそう思っているため、at home webさんの調査では、「ほとんど毎日シャワーのみ」が4割以上を占めながら、「バスタブ不要」とまで言う人はわずか。そんな結果が、導かれたのではないでしょうか。

これまで以上に賃貸住宅にはくつろげる環境の充実が求められている

では、お風呂にはバスタブさえ付いていれば、皆さんは幸せを感じ、くつろげるのでしょうか。多分そうではありません。繰り返しますが、バスタブはあっても、3点ユニットはとても不人気なのです。

いま、休日などの過ごし方として、外出よりも、家でのくつろぎを大切にする人が、若い人にも大変多いと言われています。快適な入浴のための環境ばかりではありません。

睡眠のための環境、調理のための環境、快適にインターネットを楽しむための環境、あるいは、きれいな室内の空気、などなど、家でくつろぐときのための環境の充実が、以前に増して、いま、賃貸住宅には求められているとされています。

そうした、できればより環境を充実させたい、くつろぎの場の代表ともいっていい「バスタブ」のすぐ脇に、いつも用を足している便器が置かれている・・・。それが、バス・トイレが一緒のいわゆる3点ユニットです。

多くの人が、これをくつろげる場とはしないはずです。人気が無いのは、やはり無理のないことといっていいでしょう。

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