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公開日:2018年1月29日
更新日:2019年12月12日
現代版「検地」を実施・・・? 所有者不明土地問題研究会が最終とりまとめ|編集長ブログ1

こんにちは。大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」の統括編集長の上田です。今回は、「賃貸経営お役立ち情報」をお届けします。「所有者不明土地問題」に関連する話題についてご紹介します。

土地の持ち主が見つからないなどの問題を解決するための制度が話題に

土地を相続したのに、相続人が所有権を登記しなかったことが主な原因となって発生する「所有者不明土地」。土地の持ち主が見つからない、すなわち買収が進まないことによって、たとえば公共事業、とりわけ大事な災害復興関連事業の遂行にも支障が出るなど、各地で問題となっています。

そこで、これをなるべく速やかに解決に向かわせようと、元総務相ら有識者による研究会が、昨年12月に、「所有者不明土地問題研究会 最終報告」をとりまとめています。この中に示された提言の中から、報道などでも話題となっているものをいくつかご紹介しましょう。

■土地の所有権を手放すことができる制度
土地を相続したものの、住んでいる場所とその土地が遠く離れていたり、活用・売却も難しいなど、正当な理由のある相続人が、所有権を手放すことができる制度の創設が提言されています。

■新たな組織の設置
上記で手放された土地の一次的な受け皿となるなどの事業を行なう「公的色彩をもった新たな組織」が、土地の引き取りを国や自治体に打診したり、整形・合筆等を行った上で希望者に売却したりすることが提言されています。

■新たなデータベースの創設
「(仮称)土地基本情報総合基盤」を創設。固定資産税情報や不動産登記、戸籍、住民基本台帳情報をひも付け、所有者探索等を容易にすることで、所有者不明土地の発生を防ぐことを目指すシステムです。

■現代版「検地」の実施
一定の期間を設けた上で、所有者不明土地の所有者を集中的に探し出す、現代版「検地」の実施が提言されています。公告に対して所有者の申し出がない場合、その土地は、上記の新組織の占有となる可能性も。

以上、盛り込まれている提言のいくつかを挙げてみました。
これらは新たな政策案として政府に示され、今後、具体化していったり、法案のベースとなったりしていくことになると思われますが、たとえば、所有権が手放された土地や、所有者不明のままの土地が大量に上記の新組織に集まった場合は、管理のための負担も、また大きなものとなりかねません。

そうした際、財源はどうするか、など、課題や懸案も、もちろん含まれたものとなっています。ちなみに、上記、研究会の試算によると、

・所有者不明土地の増加防止のための新たな取り組みが進まず
・現在ある所有者不明土地の探索も行われない

と、いう前提のもとでは、所有者不明土地は、2040年には約720万ヘクタールに相当するまでに増えるとのこと。北海道(本島)の土地面積、約780万ヘクタールに迫るほどのものになるとされています。(試算方法の詳細は下記資料12ページに載っています)

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